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2007年10月30日

第二章 父の背で学ぶ その3

父の背に学ぶ その3

第二章 父の背で学ぶ その3

もう一つ、父の渡航時代である。

子どもの頃から勉強がよくできていた父は貧しさから逃れようと
わが家を飛び出し、新天地を求めて大陸に渡った。

もちろん、満足な渡航費はない。

そこで父は知己の船員に頼み込み、船底に隠れて渡米したらしい。

闇に紛れて米国に上陸した後、とにかく経歴や過去を問わない仕事を探し歩き、
当分は日がな生活を続けていた。

異国で一つの仕事に長く就いていると、どうしても前歴がうんぬんされてしまう。

仕事に慣れて賃金が改善されることはうれしいが、それはまた自らの身の危険を
まねいてしまう。

短期日の間に幾つもの仕事を転々とし、ひっそりと隠れるようにして生きて
きたという。

その中にあって、比較的長く続けた仕事が材木工場であった。

ここでは父と同じ流浪の作業員が多く、ことさら父のことを意識する空気が
なかったからである。

仕事そのものは、山に分け入っての伐採、切り出された木材の集積

それらを工場に運びこんでの製材と出荷と大きく三つに分けれるが
主に父は山に入っての伐採と運び出しが中心であった。

手慣れた監督の下、指示された木材を伐採してゆく。

どちらかというと、個人の力量に負うことが多いこの仕事は他人の干渉が少なく
また、それだけ自由でもあった。

こうして5年余り、アメリカでの仕事を終えた父は、その間に溜めた小銭を
元手に日本に帰って商売を始めようと考えた。

だが、自由の新天地アメリカに渡ったといっても、さまざまな仕事の情報が
集まる場所にいたわけではない。

いや、最も閉鎖的ない山間に入って仕事をしていたのだから、商売を始めると
いっても一体何をすればいいのか分らなかったというのが本音であろう。

帰国を決めて、心機一転の意志だけは固めていたが、では具体的に何をするか
明確な青写真は父の頭に描かれてはなかった。

だが、天の啓示か、帰国途中にたまたま知り合った人から「米酢」の話を聞き
それがわが家の家業になっていくのである。

第二章 父の背で学ぶ その3

前章でも触れたが、父至は渡ったアメリカで、米酢と出合ったわけではない。
帰国の際、まさに偶然で、その偶然を天恵とし拠り所としたのである。

今、思えば、その時の父の心境としては、どんな商売でも良かったのではないかと
思う。とにかく稼いだ元手で何かを始める。

数年間も故郷を離れ、故郷に錦を飾るまでなくても、何か旗揚げをしなければ
男がすたるとでも考えていたのかも知れない。

私が幼かった時、来る日も来る日も大地の家で造った米酢を父と配達に出かけては、
何とはなしに話を聞くうち、段々と父を理解できりようになった。渡米する前、アメリカ
での暮らし、そして帰国後ーー父の苦労が伝わってくる。

父とは、どれほど同行したことか。

配達といえば、長男だけに、いつも私が駆り出されていた。

だが、父の後姿から、輝く明るさを感じたことがない。

いつも何か背負って、その重圧に負けまいと必至で生きているように見えた。

父は、一体何が楽しみで生きてきたのだろうか。

この世に生を受けた数十年間、ただ働き通しで、一度たりとも他に心を
振り向けることをしなかった。仕事がすべてで、小遣いだって一銭たりとも使ったことがない。
自分の仕事を通して喜んでくれるお客さんに生き甲斐と喜びを見つけていたのだろう。

そういった父の背中を見続けていたからこそ、今日の私がある。

第二章 父の背で学ぶ その3

続きは⇒http://oochikura.e-know.jp/e7667.html


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Posted by センナリ株式会社 at 17:15│Comments(0)『米の酢』物語
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